パーテム国立公園は、タイ東部にあるウボン・ラチャターニからさらに東に１００ｋｍほど行ったところで、ラオスとの国境を流れるメコン川沿いに位置しており、砂岩からできたロックピラー、メコン川沿いにできた絶壁、この絶壁に描かれた先史時代の壁画などで有名である。

	砂岩が太陽の照射と、化学作用と、大地のストレスを受けて脆くなっていたところに、メコン川の洪水に襲われて、砂岩が部分的に残ってできたロックピラーである。 ロックピラーの頂部は１０億年前の地層であるといわれている。

	ロックピラーがある場所から少し山を登ると、ところどころにクラックが走る砂岩の大地が広がる。 クラックの近くに立つと、その底に吸い込まれそうな感じがして緊張する
	ロックピラーがある場所から少し山を降りると、メコン川を望める砂岩の大地が現れる。 この場所は断崖絶壁であり、先端は庇のように飛び出しており、この庇の上に立つと緊張する。メコン川の向こう側はラオスである。

	下の４枚の写真は、メコン川を望む絶壁を下から見上げたものである。 先ほど、絶壁の頂部からメコン川に向かって突出する庇の上に立ってメコン川を眺めていたかと思うと、ゾッとする。
	下の写真は、絶壁に描かれた先史時代の壁画である。この壁画は約４０００年前のものと推定される。先史時代の人たちは絶壁から突出した庇によって雨を防いだものと思われる。

	メコン川の向こう側のラオスにも絶壁が見える。１０億年前にはタイ側の砂岩とラオス川の砂岩とは一体であったが、化学作用と大地からうけるストレスによって砂岩にクラックが走り、メコン川はこのクラックの底を下を流れるようになった。やがて砂岩は崩れ落ちて下流に流され、ラオスにある平地で止まった。そして、この場所に２つの滝(シーパンドン)ができた（シーパンドンを参照）。